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BeastMaker105°の難易度を考えてみた

亀山2021/02/14
ウッドカチといえばBeastMaker

ウッドカチといえばBeastMaker

カチトレ定番であるビーストメーカーマイクロス。inatagramのハッシュタグ#beastmakerは2万件超えとその定番度合いは世界規模。フリクションを落とさない程度にエッジ部分を無くした形状はインドアで指皮を消耗せずにカチを鍛えるには最適。実力を試す共通トレーニング器具としても活用され、SNSで「〜秒ぶら下がり」「〜kg負荷」といった形で発信され続けています。取り付け場所は省スペースで済むことからクライマー自宅への設置も多いアイテムです。単純な作りだからこそ、それらの情報からトップクライマーとの比較を実体験できる良さがあります。

105°壁への取り付けは珍しい

105°壁に設置されることは珍しい

マイクロスはフラットな作りのカチ。90°壁に取り付けることで保持面は床に対して並行となります。「インカットが存在しない」ことがマイクロスの特徴です。純粋に指が開かないように握るチカラが必要となります。ただでさえインカットに頼ったぶら下がりが不可能なため、多くの場合が90°壁への設置となります。しかしながら、グッぼるはキャンパスボード自体が105°に傾斜。そこにマイクロスが設置されているという珍しくも、クライマーにとって保持することが厳しい設定となっています。

90°と比較してプラス2kg以上の高強度

90°と比較してプラス2kg以上の高強度

105°がどれほどの難易度なのか。単純に指が滑らないとする静止摩擦力のみで考えてみます。すると105°では90°の約96%の摩擦力しかありません。90°BeastMakerで体重60kgの人がギリギリ浮けていたなら、105°では約58kgまで痩せないと浮けない計算になります。しかもこれは上手く体重をホールドへ掛けられた場合。105°ではフラットどころか手前に容赦なく傾くことになり、指の圧をホールドへ伝えることも難しくなります。その他にもエッジも指への掛かり具合も105°では極端に減少。「90°の6mmは浮けるのに105°だと8mmも厳しい」との声も多数聞きます。BeastMakerが傾斜壁にあると恐ろしいまでに難易度が上がることが分かります。
画像参照:「そもそも摩擦力の公式とは?」https://juken-mikata.net/how-to/physics/frictional_force.html

自然と重心感覚とロック力が身につく

自然と重心感覚とロック力が身につく

どうにか6mmで浮こうとトレーニングしているうちに重心の位置が90°のBeastMakerと違うことを後から発見しました。わずかに壁際の奥へ重心を置くことでフリクションを最大限にすることがコツのよう。背中を反らして壁に胸を近づける姿勢だと浮いた後も安定しました。またそのために必要な前腕のロック力も自然と鍛えられていました。特に岩でその効果は実感。手数が多く連続してカチを保持する課題でヨレ落ちすることが減りました。2017年にトライし手数の多さで苦戦した「シャンバラ 5段」完登に繋がっています。繊細な違いですが90°で単純にぶら下がるよりも登りに近く、トレーニングとして効果的に思えています。

BeastMakerは90°以外の壁にもおすすめ

BeastMakerは90°以外の壁にもおすすめ

90°BeastMakerは慣れてきた。また、取り付けを考え中の場合には傾斜壁への取り付けもおすすめです。ぶら下がろうとする過程で指の強化以外にも身につく感覚の恩恵があります。ぶら下がるだけでも姿勢への意識がプラスされていきます。グッぼるには更に105°キャンパスボードへDigitClimbing4mmカチが新設されました。DigitClimbingもBeastMaker同様にフラットな形状のカチ。まだ浮けたクライマーはいませんが、これも一つ新たなカチ力を試す挑戦となっています。

亀山2021/02/14

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