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【ボディメンテ】クライミングの「パキッた」とは?ポップ音と症状の医学的分析

🔬 クライミングの「パキり」とは何か?

クライミング中に指から「パキッ」という音がして、痛みや違和感を感じたことはありませんか?これが俗に言う「パキり」です。正式には指の腱鞘(けんしょう)プーリー損傷と呼ばれる怪我で、クライミングに特有の損傷パターンです。

🎯 パキりの基本データ
• クライミングでの指の怪我の33%がプーリー損傷
• 最も多いのはA2プーリーの損傷(全体の65%
• 薬指がダントツで多い(42%)、次に中指(35%)
• フルクリンプ(指を立てるグリップ)で負荷が40-90%アップ

🫴 指の仕組みを理解しよう

指のプーリーシステム構造図
図1: 指のプーリーシステムと各グリップでの負荷のかかり方

指を曲げる時、筋肉からの力が腱(けん)を通じて指先に伝わります。この腱が骨から浮き上がらないよう、指の骨に沿ってプーリーという輪っか状の組織があります。釣り竿のガイドリングのような役割です。

🔍 プーリーの種類と役割
A1、A3、A5プーリー:関節の上にある、比較的弱い
A2、A4プーリー:骨にしっかりくっついている、とても重要
A2プーリーが最もパキりやすい(中指の付け根〜第一関節の間)

🎯 どうして「パキる」のか?

💪 グリップの違いで負荷が激変する

クライミングでは主に3つのグリップを使い分けますが、それぞれでプーリーへの負荷が大きく変わります。

グリップの種類 プーリーへの負荷 パキりやすさ 使う場面
オープンハンド
(指を曲げて持つ)
基準(1.0倍) 低い 大きなホールド
ハーフクリンプ
(指を少し立てる)
1.2〜1.4倍 中程度 小さめのホールド
フルクリンプ
(指をしっかり立てる)
1.4〜1.9倍 とても高い とても小さいホールド
⚠️ フルクリンプの危険性
• プーリーにかかる力がほぼ2倍になる
• 初心者の78%が無意識にフルクリンプを多用している
• 「あと一手!」という時に力んで起こりやすい
• パキッという音は、プーリーの繊維が切れる音(周波数200〜2000Hz)

⏱️ 疲れた時ほど危険

疲労がたまると、プーリーの材料であるコラーゲンが硬くなり、切れやすくなります。

🔍 疲労とパキりの関係
• 疲れると、プーリーの柔軟性が30%近く低下
• 短い休憩(2〜4分)を繰り返すセッション登りは特に危険
• 「最後の一本!」の時の事故率が3.2倍高い

🌡️ 寒さもパキりの大敵

手が冷たい時にいきなり強い課題にトライすると、パキりのリスクが跳ね上がります。

🔬 温度とプーリーの関係(最新研究より)
• 体温が6℃上がると、プーリーの柔軟性が30%向上
• ウォームアップで腱の温度を2.5℃上げるだけで怪我が激減
• 15℃以下だと、プーリーが「ガラスのように割れやすく」なる
• でも68%のクライマーは5分未満のウォームアップしかしていない
🎯 よくある勘違い
• 「手が温かい」≠「腱の内部が温まっている」
• 午前中、冬場、仕事帰りは特に注意が必要
• 表面だけ温めても、奥の腱はまだ冷たい状態

📊 パキりのレベル分け

パキりには軽いものから手術が必要なものまで、4つのレベルがあります。

レベル 症状 どのくらい多い? 復帰までの期間
軽症(Grade I) プーリーに小さなキズ、軽い痛み 39% 2〜4週間
中等症(Grade II) プーリーが部分的に切れる 25% 6〜12週間
重症(Grade III) 複数のプーリーが切れる、腱が浮く 30% 3〜6ヶ月
最重症(Grade IV) 多くのプーリーが切れる、腱が大きく浮く 6% 手術が必要

📈 データで見るパキりの実態

クライミング統計グラフ
図2: パキりの統計データ(指別の発生率、グリップ別のリスク、温度の影響)
📈 注目すべきデータ
握力測定で41.4%以上力が落ちている場合、超音波検査でもプーリー損傷が確認される確率が非常に高い(ほぼ確定診断レベル)

🛡️ パキりを防ぐための実践的な方法

🟢 フルクリンプに頼りすぎないコツ

→ ハーフクリンプを意識的に使う
✔ 毎回のトライで、意図的に2〜3手だけでもハーフクリンプで登る
✔ これだけでプーリーへの負担が20〜40%減る
✔ 「力で持つ」より「体の位置で楽に持つ」ことを意識する
✔ 小さなホールドでも、まずはハーフクリンプで試してみる

🟡 休憩時間をしっかり取る

→ トライ間の休憩を長めに
✔ 強い課題の後は6〜8分しっかり休む
✔ 友達との会話に夢中になって休憩が短くなりがち(要注意!)
✔ プーリーの回復には最低4分は必要
✔ 「もう一本!」の誘惑に負けない強い心を持つ

🟠 体の使い方を丁寧に練習

→ フォーム練習の時間を作る
✔ 週1回、簡単な課題でムーブの練習をする
✔ ガストン、クロス、デッドポイントなどの「形」を丁寧に
✔ 指に「横向きの力」がかからないよう注意
✔ ゆっくり登ることで、危険な体勢を避けられるようになる

🔴 ウォームアップを徹底する

→ 指の奥まで温める
✔ 指をぐるぐる回す(30秒)
✔ 第一関節だけを曲げ伸ばし(30秒)
✔ ゴムバンドで軽く指を開く運動(1分)
✔ これで腱の温度が2〜3℃上がり、パキりリスクが激減
✔ 特に朝一、寒い日、仕事帰りは念入りに

🩹 もしパキってしまったら

❌ やってはいけないこと
• 「軽い課題なら大丈夫」と登り続ける → 72%が悪化して長引く
• 「冷やしたから大丈夫」と思い込む → 根本的な解決にならない
• テーピングでごまかして登る → 他の指や手首を痛める
• 「音がしなかったから軽症」と判断 → 音のしない重症例もある
✅ 正しい対応方法
✔ まず48〜72時間は指を使わない(完全安静)
✔ 氷で冷やす+軽く圧迫(きつく巻きすぎない)
✔ 腫れや指の変形があれば、すぐに病院へ
✔ 痛みが引いても、完全に切れている可能性があるので注意
✔ 復帰はハーフクリンプから、フルクリンプは6〜12週間我慢

🔄 段階的な復帰プラン

段階 期間の目安 やっていいこと やってはダメなこと
急性期 0〜3日 安静・冷却・軽い圧迫 クライミング全般
炎症期 3日〜2週間 指の軽い曲げ伸ばし 重いものを持つ・クリンプ
修復期 2〜6週間 オープンハンドで軽い負荷 フルクリンプ・強い課題
リモデリング期 6週〜6ヶ月 徐々にクリンプを復活 急激な強度アップ
🔍 まとめ
パキりは防げる怪我です。フルクリンプを控える、しっかり休憩を取る、丁寧にウォームアップする。この3つを意識するだけで、リスクは大幅に下がります。もし起こってしまっても、焦らず適切に対処すれば、必ず元通りに登れるようになります。

参考文献: Schöffl, V. et al. (2024). Pulley Injuries in Rock Climbers. MDPI Applied Sciences. | Hui, W.-H. et al. (2023). Molecular mechanism of collagen flexibility during physiological warmup. Acta Biomaterialia. | その他、医学論文47件を参照

免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、医学的診断や治療の代替ではありません。症状がある場合は医療機関を受診してください。

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