クライミングシューズ売上ランキング発表!2022年上半期BEST3はどのシューズだ!?
クライミングシューズ売上ランキング!2022年上半期BEST3を発表!
近年、クライミングシューズはどんどん多様化していき、様々なタイプのシューズが発売されてきました。その時の課題の傾向やクライマーの嗜好などでトレンドのシューズは常に変化しています。グッぼるでは店頭やオンラインを含めると相当数のお客様がクライミングシューズを買い求めにこられます。そこでお客様の足型や希望とすり合わせを行い、ピッタリのシューズが見つかるお手伝いをさせて頂いています。そこで今回は2022年上半期で売上が多かった製品BEST3を発表したいと思います。興味が有る方は是非ご一読ください。
第1位 adidasFiveTen NEW HIANGLE WMS
女性最強クライマーの呼び声高いヤンヤ・ガルンブレトが履いていた事でも有名な1足。旧ファイブテン時代から人気が高かったハイアングルがアディダスファイブテンになりさらに進化して登場しました!WMSモデルという事もありボトムエリアのボリュームが抑えられ、足の小さい子供や女性にも履きやすく人気でした。そのソフトな履き心地と足入れの良さに加えて東京五輪の金メダリストであるヤンヤの使用シューズである事で爆発的にヒットしたように思います。さらに東京五輪モデル限定カラーの発売とオリンピック後のSALEによりさらに倍以上の売上を記録。凄まじい売れ方でかなり驚いた事を今でも覚えています。高性能のシューズを安く買えるなら、確かにそれは魅力的ですね。
- 素材:シンセティック
- ソール:Stealth C4ラバーアウトソール
- 重量:200g
第2位 SCARPA DRAGO LV
こちらはスカルパのロングセラードラゴLVがランクイン。約2年ほど前に発売されて以降安定の人気を博しています。ドラゴ同様の足裏感覚の良さに加えて、トウボックスの高さを抑え、ヒールカップも浅くなることで、甲の低い方や踵があまりやすい方にもオススメ出来る1足。強烈なターンインは少しクセがありますが、履きなれると強傾斜での掻き込みなどで間違いない武器になります。そして1番は改良されたヒール。こちらはスリングショットの上まで延長されて剛性もアップ。これによりかなりシビアなフックにも対応。インドア、岩場問わず使えるオールラウンダーに仕上がりました。そして何よりデザインといカラーがカッコいい!これも長期間売れている要因かもしれません。さらにスカルパサポートクライマーの柴沼潤氏のレビューも必見。詳細なレビューが読み応えあります。
- アッパー:マイクロファイバー
- ソール:ビブラムXSグリップ2 3.5mm
- 重量:215g(#40、1/2ペア)
▼スカルパサポートクライマー 柴沼潤氏レビュー
非常に良い。人工壁クライミングにおける完成形ともいえる。岩でも良さそう。特にトゥフックの効きが良いので塩原ルーフで使いたい。履いてみた感想としては、従来のドラゴよりも甲の高さや土踏まず側面の絞りが良くなり、フィット感が増した気がする。トゥラバーも広く、べったりとホールドに密着してかかりもバッチリ。そしてヒールカップの形状が変化して、剛性も高まったような印象。収まりもよく、変なところが浮いたりずれたりしないため、しっかりとヒールに力を込められる。エッジングも問題ない。最近ベローチェやフューリアエアーばかり履いてたこともあるかもしれないが、結晶系のフットホールドにもしっかり立てる。ボテ面に対する密着感はヒューリアエアーの方が良く感じるが、それでも十分にフリクションを感じる。ソフト系シューズの中でオールラウンドに何でもこなせる最高のシューズになる予感。とくにソフト系でありながらヒールフックの剛性が高いというのがありがたい。ここの両立はどのシューズでも難しいところだけど、ドラゴLVのバランスは過去最高。
3ヶ月履いてみて感じたのは「高い性能を発揮する期間も伸びた」ということ。中でもフック性能は3ヶ月間履いてみても全然落ちず、岩場の細かいエッジなどにヒールをかけてもしっかりと力が伝わります。フィット感が増したおかげで足全体を無駄なく包んでくれており、つま先の力が変な方向に逃げていないのが分かります。大きなホールドやボテ系の面を踏んだときにもソフトシューズならではのフリクションが効いているので、オールラウンドになんでもこなせる一足。中々コンペに出ることはないけど、もし今コンペに出るなら100%これを履いて出ると断言できるシューズです。ただ、最近は花崗岩ばかり行っていて、残念ながら岩場では数回しか試していません。何回か履いてみた感じでは、ある程度傾斜がある中で掻き込み・フックを多用する課題などで有効な気がします。またサイズに関しても旧ドラゴと同サイズで良さそうです。参考に。従来のドラゴはガッツリ履き込むと、ヒールラバーが柔らかくなり、ボテ面も滑りやすくなっていた。その点LVのヒールは長持ちしそうな印象なので大丈夫そうだが、念のためあと1ヶ月ほど履いてから改めてレビューします。自分が選んだサイズは38。これでちょうど良さそう。参考に他のシューズのサイズを比較するとフューリアエアー37.5、フューリアS37.5、ヴェローチェWM37.5、インスティンクトVSWM38、キメラ38。実寸はだいたい25cmです。
嫌なところは特にないのですが、強いて言うならタイトなシューズなので長時間履くと疲れます。特に土踏まずの側面がしっかり絞られているので、これまでかなりのソフトシューズを履いてた方はややキツく感じるかも。ターンインもしているので、出来れば一度試着することをお勧めします。スティックスやヒューリアよりはマイルドなので、普段からターンイン・ダウントウシューズを問題なく履けてるならばそこまで気にしなくて大丈夫かと思います。そして価格が驚き。
第3位 UNPARALLEL FLAGSHIP WOMENS LV
アンパラレルの最新モデルであるFLAGSHIP WOMENS(LV)が第3位にランクイン。トゥ・ヒール・シューズ裏でVC・RH・RSと異なるラバーを使用しており、そのバランスは最高レベル。メンズモデルに比べて細身でありながら足入れが非常に良く、寧ろ履きやすい印象。2ピースアウトソールの前足部にRS3.5mmと高剛性ミッドソールを使用する事で極小ホールドや外傾面へのスメアリングなど幅広く対応出来るのでこれ1足で何でもしたいクライマーにオススメ。
- 素材:アッパー:Synthetic (ノンライニング) 、
- アウトソール:RS3.5mm(フロント)/RH4.2mm(リア)
- ラバーパッチ:VC(Virtual Colors)
シューズ比較まとめ
個人的な今回の3シューズ比較のまとめです。
- 足入れ フラッグシップLV>ニューハイアングルW>ドラゴLV
- 足裏感覚 ドラゴLV>フラッグシップLV>ニューハイアングルW
- エッジング ドラゴLV>フラッグシップLV≒ニューハイアングルW
- スメアリング ニューハイアングルW≒フラッグシップLV≒ドラゴLV
- トウフック フラッグシップLV≒ニューハイアングルW≒ドラゴLV
- ヒールフック ドラゴLV>フラッグシップLV>ニューハイアングルW
- かき込み ドラゴLV>ニューハイアングルW>フラッグシップLV
如何でしたか。自分のお気に入りシューズはランクインしていたでしょうか。今年の上半期のランキングは全体的にソフトシューズが多くLVモデルが人気を博しました。コンペなどに参加するユースクライマーが増えて、インドアで登りやすいシューズが求められる事が多いのがこの結果に繋がったのではないかと考えています。今後どのようにトレンドのシューズが変化していくのか。もしかしたら近い将来、ハードシューズ全盛の時代がくるかもしれません。その遷移が時代を象徴していて非常に興味深いですね。
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SCARPA(スカルパ) DRAGO LV(ドラゴ ローボリューム) ※最小限のシャンクで繊細な足裏感覚 ※改良ヒールで力の伝達がスムーズに
28,050円 -
UNPARALLEL(アンパラレル) FLAGSHIP WOMENS LV(フラッグシップ ウーマン) ※女性やカカトの細い方用にアップデート ※3種のラバーで構成 ※取寄せも可
25,960円 -
adidasFiveTen(アディダスファイブテン) NEW HIANGLE WMS(ニューハイアングルウーマン) ※ヒール完成度が進化
19,800円