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ボルダー最高グレード更新にはウォーミングアップが重要

亀山2018/01/21

自己最難ボルダートライ時だからウォーミングアップの重要性

今日こそは目標としていた5段を登る。ジムでトレーニングした成果をここで出し切る。そう意気込んで岩場に到着し、本命とする課題を登り始める前、多くの人は体を温めるために「アップ」をすると思います。自分の最高のパフォーマンスを出して、目の前の課題にトライしようとする時、皆さんはアップで何をしてから本気トライをしますか?様々な方法があると思いますが、今回はそのアップについて少し書いてみたいと思います。 

100%のパフォーマンス

そもそも自分の100%のパフォーマンスを出すということは、自分の体のコンディションを整えるということになると思います。クライミングにおいては体中の筋肉の力を使いますし、特に前腕の指を曲げる筋肉の100%の力を本気トライで出せるようにしたいものです。その力を発揮させるための登る前のアップというのは、なんとなく大切な気がします。よくアップをすることは「体が動くようになる」とか「けがの予防になる」と言われています。けれど、体の調子が良さげな日はいきなり高グレードを登っても力が出せているような感覚があったりもします。実際のところはどうなのでしょうか? 

筋力がもつ最大の力を出す

結論から言うとアップしなければその筋肉がもつ100%の力を登っている最中出し続けられないと考えます。少し化学的な点から見ると(生物と化学系のことを少し聞いて)、全身の筋肉すべてにおいてですが、筋肉ではグルコースから生成されるATPを収縮のエネルギーとします。このグルコースからATPをつくる過程においては、そのつくられる速さはグルコース-1-Pの供給量によるので、十分にグルコース-1-Pを供給することが最大筋力を発揮させることになります。それには、血中のアドレナリン濃度と細胞中のCa²⁺濃度を高く保つことが必要です。アドレナリンも細胞中のCa²⁺も筋肉が収縮を繰り返すと濃度が高くなります。
ややこしい話は抜きで、要するに筋肉はある程度動かした後の方が力が出るということです。つまり、事実としてもウォーミングアップをすることは筋力を100%出すには必要なのです。

外岩でのアップ

ウォーミングアップが100%を出すのに大切と分かったところで、本題の外岩でのアップです。やはり登る最中に使う筋肉を動かして体温を上げることに専念することが大切になるでしょう。しかし、クライミングの外岩シーズンと言えば、皆さんご存知の通り寒い冬。他の岩を少し登って体を動かしたとしても、すぐに体温は下がってしまいます。これでは、十分に血液が筋細胞に行きわたらなくなってしまい、結果として筋力は低下し、全力でのピンチやカチの保持はできなくなります。実際に僕自身、本気トライをしようとしても軽く登った程度では体温が上がりきらず、トライできないという経験はかなりあります。けれど、気温が低い方が乾燥していて、岩のフリクションは抜群です。やはり気温が低い冬にトライしない手はありません。そこで実際にやってみて効果が高く感じた2つ紹介します。

ダイナミックストレッチ

ウォーミングアップでは静的ストレッチ(普通の柔軟)もしますが、まずは体を動かして体温を上げることを優先します。そこでするのはダイナミックストレッチ。5種類を繰り返してすることで全身が温まります。これは本気トライをしているときの間のレスト時間にも繰り返すことで極力体温が下がるのを防げます。

マッサージロール

ストレッチ前にもストレッチ後にも、本気トライの合間にもDoctorAir。正直、これが今の自分自身の本気トライを一番支えてくれている気がします。特に細い方のDoctorAirマッサージロールはほぼ常に持ち歩いてます。一緒に外岩に登りに行って貰った方は僕がアップの時にもトライの合間にも使っているのは見たことがあると思います。思い返してみたら、初めて登れた5段であるのスイスのGandalf ilGrigioからフランスのThe Big Island(5段+)、最近の日本のアガルタ(5段)、バビロン(5段)まですべてのアップで使ってるなぁと。いろいろアップは試してきましたがこれが一番に感じます。自分で思っているよりも使うと効果があるのかもしれないです。たまにジムで使い方を聞かれますが、外岩で意識しているのは一か所5秒ずつくらいかけてゆっくりマッサージしています。寒い外岩では前腕を少し念入りに行うと血流が良くなってパンプしにくくなります。

ウォーミングアップは絶対必要

やっぱり寒い外岩で体を動かすのが少し嫌に感じてもウォーミングアップをしっかりとすることはおすすめします。それから本気トライを。そうすれば普段からコツコツとトレーニングして身に付けた100%のパフォーマンスが目標課題でも発揮できるでしょう。

今回は外岩でのアップについて少し紹介も含めました。アップに関しては次はコンペに向けたことも書いてみようと思います。WC(ワールドカップ)のアイソレーションで海外の選手が実際にしているウォーミングアップなど、外岩とはまた違っていて面白いです。

亀山2018/01/21

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