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よくわかるキャンパストレーニング 後編

村口2019/07/11

キャンパシングトレー二ング動画 後編

前回のブログ「良く分かるキャンパストレーニング 前編」にて紹介しきれなかったトレーニングを5種類追加。キャンパシングはクライミングに必要な筋力を効率的に鍛えるツールとして本当に優れています。少しでも皆さんの登りの向上につなげて頂けたらとと思います。それでは後編もお付き合い下さい。

段差ダイナミック

左右を高さの違う段にして、その間隔を保ちながら最上部まで行き、そのまま下りてきます。左右交互に。



前編で紹介してきたトレーニングに比べれば比較的簡単。リズムとテンポが大事です。

クライミング時での効果

  • デッドポイントのコーディネーション等の強化に有効。左右を腕を同時に動かすムーブの際はタイミングが特に重要。いわゆるクライミングでの「キレ」と呼ばれるモノに深く関わっています。

これを始めて、リズムを大事にするようになってから頭では分かっていても、今まで片方ずつしか上手く動かせなかった腕が自分の狙ったタイミングで動かす事に自信が付きました。この動きを行うのに既に十分な筋力があるのに出来ない人に特に練習して欲しい動きです。

段差交互ダイナミック

左右を高さの違う段にして、可能な限り早く瞬時に左右を入れ替えるダブルダイノ。難しければ、左右交互の間に、真ん中に一度両手を戻して行う初級モードで。



これも動体視力と接触筋力アップに。前編で紹介した対角ダイナミックが出来ない人はまずこれから。

クライミング時での効果

  • 動体視力と接触筋力の向上でピンポイントのデッドポイントやランジに効果的。しっかりホールドをキャッチ出来るようになります。

このトレーニングで動作を連続させ連結させるムーブを出来るだけ素早く行うことがどれだけ大切か理解しました。カラダを動かすスピードはクライミングでかなり大切。「ただ素早く動く」を意識する事が出来るだけで今まで取れなかったホールドがカンタンに取れるようになったパターンもあります。

ツーマイナスワン・ダブルダイノ

両手で2段上を取って1段下がる。さらに2段上を取って1段下がるを繰り返して、最上部まで行ったら1段ずつスタートまで下がります。これで1セット。3セットを休憩3分で。



伸張反射を鍛えるプライオメトリクストレーニング。一段下がった時の体重の縦方向のはずみを吸収し推進力に変えてさらに高い位置に。

クライミング時での効果

  • 初動で反対に動いて勢いをつけるムーブやホールドのしゃくり(持ち直し)等、縦方向のはずみの吸収が上手く出来るようになるとかなり登りに生きてきます。

ホールドを取ったり、カラダが振られた時。殆どの人はそのチカラを止めようと頑張ります。もちろん、そういったムーブも必要ですが、ムーブとは完登までの一連の動き。次の動作に必要なチカラをゼロから生み出すのは効率が悪いです。ツーマイナスワン・ダブルダイノは「弾み」を次のムーブに生かすトレーニングとしては最高で、これを行う事でより遠くのホールドいい位置で取れるようになりました。

ヘリコプター

両手を肩幅スタートで片手ロック。体をキャンパスボードの真下に入れます。反対の手を逆手にして、ロックした手の横30cmほどをキャッチし、反対を向きます。それを交互に繰り返して横移動。



上級者ならほとんど皆できます。ボルダーの高強度なら絶対に必要なトレーニング。背が大きい人は苦手な人が多いですが、リーチがあってこれが出来る人はもう文句なしに強いです。ワールドクラスだと10mmのラングでも可能。僕は出来ません。

クライミング時での効果

  • 肘で回るトレーニングができるため、手首を固定するクロスムーブが高次元で可能。勿論単純にロック力の強化にも。

肘で上手く回るにはまず指のチカラが必須条件。しっかり手首を固定しながらカラダを回転させることで振られの制御とリズムを身につける事が出来ました。短いラングでもキャッチする手をクロスさせながら行えばさらに強度が高くなります。これをビーストメーカーの10mmで行う事が今の目標です。

ガストンキャンパ

短めのラング(25cm程度)を、内側下り25度で取り付け。横ピッチは芯々90cm。高さピッチ20〜25cm。インナーモード、振り子ロック、ダブルダイノを行なうことでガストンの動きと接触筋力を強化します。



動画ではダブルダイノを。ガストンは肩や肘の位置など共にそもそもかなりの筋力を必要とするので苦手な方も多いと思います。皆が苦手なものは難しい課題にもなりやすいので特に最近は力を入れてトレーニング中。この種目はまだ僕自身完璧ではないですが、さらに洗練していく予定です。

クライミング時での効果

  • 力の入りにくい向きでのホールド保持と保持した瞬間に力いれる接触筋力が必要なムーブにとても有効。

高難度の課題よく出てくるムーブのガストン。そもそもチカラを入れにくいですよね。ガストンは肩と肘が直角になる所が一番チカラが入りやすいです。このトレーニングでその位置にカラダを瞬時にもっていけるようになりました。

クライミングの動きの奥深さ

キャンパストレーニング動画後編をここまで読んで下さりありがとうございます。ここで改めて文字にする事で自分の頭の中も整理する事が出来たように感じます。ここで得られた情報が少しでも皆さんの役に立てば幸いです。

現在はさらにフィットネスジムにも通い、店長指導の元、弱い筋肉の強化に勤しんでいます。そこで色々なトレーニングをする度にクライミングはこんなにも色々な動きを必要とするモノなんだなとその奥深さに感動さえ覚えます。そんな多様な動きに対応するにはもっと知識が必要です。それを習得する事に終わりはありませんが、一歩でも前に進めたい。それが自分のクライミング人生を豊かにしてくれると信じています。

 

村口2019/07/11

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