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クライマーがヨーロッパの岩場で味わうカプチーノが作れるようになるには

村口2018/04/29

クライマーがヨーロッパの岩場で味わうカプチーノが作れるようになるには

グッぼるで働き始めてから大きく変わった事は2つあります。モチロン1つはクライミングへの関わり方。そしてもう一つはコーヒーに対する意識とその奥深さです。今回は其処に焦点を当てて見ようと思います。

エスプレッソマシンで「ナポリの日常」を再現

正直な所、グッぼるに勤める前はコーヒーの味に対してそこまでのコダワリはありませんでした。なんとなくコーヒーを飲みつつ、なんとなくブラックが好きかなぁ程度。カプチーノやカフェラテ等の違いも曖昧な認識でした。そんな僕が今度はそれを提供する側になったのです。これはコーヒーについて勉強しなければと思いました。コレがコーヒーの魅力に嵌ったキッカケでした。

グッぼるのコーヒーはヨーロッパ通いの中、本場イタリア老舗バールの味に魅了されたオーナー夫妻のコダワリで「ナポリの日常」を再現。ナポリから空輸した豆を使い酸化を防ぐ為に「挽いてから抽出まで25秒以内」を徹底し、お客様に提供しています。その抽出時には「クレマ」と呼ばれるクリームのような細かい泡が発生します。これに程よく厚みと粘性があるものが真のエスプレッソといえます。これを面接の時に頂いてその味わい深さに衝撃を受けたのを今でも覚えています。このエスプレッソこそがグッぼるカフェでの基本といえるでしょう。

カプチーノに大苦戦

基本のエスプレッソの後に覚えたのがカプチーノ。しかしこのカプチーノが曲者で、これをお客様に提供するのに約3ヶ月程かかったのを今でも覚えています。カプチーノとはエスプレッソに蒸気で温めたスチームドミルクと同じく蒸気で泡立てたフォームドミルクを1:1:1を用いて作ります。
このフォームドミルクが凄く難しい。約60〜65℃の温度できめ細かい泡を作る。テキストにすると簡単そうですが、実際やってみると温度も泡立て方も全てが繊細でした。牛乳を買ってきてはフォームの練習をするという日々が続き、何度も失敗したカプチーノ(ただのコーヒー牛乳)を飲みお腹いっぱいになる事を繰り返しつつ、オーナーよりカプチーノの提供が許可された時は本当に嬉しかった。これでようやくお客様にカプチーノが出せると。

バリスタとしてのスタートライン

やっとカプチーノを提供できるようになったと浮かれていましたが、バリスタはそんなに甘くありませんでした。及第点をもらったとはいえオーナーのいれるカプチーノとは飲み比べずともわかる程に味と見た目に差がありました。オーナーに比べてフォームのきめ細かさと注ぎ方にブレがあり、これを上手くいった時と全く同じように再現できずなかなか安定したモノが作れず悩んだ時もありましたが、先輩のエリゾーさんやオーナーに助けられつつなんとか感覚を自分のモノにしていくことが出来るようになりました。これでようやくバリスタとしてのスタートラインに立てたような気がした瞬間でもありました。

本当に好きになったからこそ

おかげさまでグッぼるカフェメニューは殆ど提供する事が可能となりました。しかし、まだまだ美味しいモノを淹れる事が出来る筈。初めてグッぼるに来た時と違い今ではクライミングと同じく、コーヒーを本当に好きになりました。だからこそ改めて実感したことがあります。向上心をもって進まないと上達は有り得ないと。エフィカシー(自己評価)を上げてなりたい自分に自信を持つ。5段を登る人は登れると思っている人しかいない。これは全てに通じる事でカフェでもクライミングでも人生でも変わらないと。これからも本気で好きになったモノに全力で生きていこうと思います。
村口2018/04/29

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